昭和のまま止まっているような番組
令和の時代において昭和のまま止まっているような番組と言えば、日本テレビおよびCBCテレビで制作されている「キユーピー3分クッキング」があります。現在は日本テレビとCBCテレビの2局の制作ですが、当時は北海道、宮城県、福岡県の地方局が独自に制作していました。これはテレビ局のネットワークが確立していなかった事と、入手できる食材に地域差がある理由でした。ちなみに北海道はHBC北海道放送が20年前まで独自で放送していました。福岡県は日本テレビ系列だったテレビ西日本がフジテレビ系列にネットチェンジして番組ネットを打ち切り、九州朝日放送が日本テレビ系列の福岡放送が開局するまで独自で放送していました。
「キユーピー3分クッキング」の放送が始まったのはCBCテレビ版が1962年12月3日に、日本テレビ版が1963年1月21日にスタートしました。天気予報のように料理のヒントをお伝えし、毎日の献立作りに役立ちたい…という思いから始まった番組でした。ちなみに日本テレビ版の第1回の料理は「とんちゃん鍋」でした(CBC版の第1回の料理は不明)。
放送開始当初の放送時間は正味3分でしたが、放送時間が延長になっても、タイトルは変更される事はありませんでした。当時は生放送だったので、ハプニングはたびたび起きていたようです。現在は収録放送でも、撮って出し放送のため、実質は生放送と変わらないです(日本テレビ版の番組「厚焼き玉子」の放送回で、焦げた厚焼き玉子が出来上がっても、そのまま放送された)。
CBC版は1986年から土曜日の放送も開始して「キユーピーホリデークッキング」のタイトルでスタートしました(日本テレビ版は土曜日も「キユーピー3分クッキング」を放送)。放送回数に日本テレビ、CBCと差があるのはそのためです。ちなみに放送回数1万回を迎えたのは日本テレビ版は1995年、CBC版は1998年でした。
「キユーピー3分クッキング」のテーマ曲と言えば「おもちゃの兵隊のマーチ」(当時のCBC版のテーマ曲は別のもの)ですが、日本テレビの担当女性ディレクターが交際していた男性に「どんな曲がいい?」と相談した時に、この曲が候補に上がったそうです。
日本テレビ版の系列局は青森放送、秋田放送、山形放送、山梨放送、北日本放送、福井放送、読売テレビ、西日本放送、四国放送、高知放送、南海放送、日本海テレビ、広島テレビ、山口放送、福岡放送、長崎国際テレビ、鹿児島読売テレビの18局で、中国・四国地方はすべてネットしています。長崎国際テレビと鹿児島読売テレビはクロスネット時代のテレビ長崎および鹿児島テレビからネットを切り換えた、いわゆる“平成新局”です。
CBC版の系列局は北海道放送、IBC岩手放送、東北放送、テレビユー福島、新潟放送、北陸放送、信越放送、静岡放送、大分放送、宮崎放送、熊本放送、琉球放送の13局で、中部地方のTBS系列はチューリップテレビとテレビ山梨を除いてネットしています。宮城県はかつて仙台放送が日本テレビ版をネットしていましたが、仙台放送がフジテレビマストバイ化したのをきっかけにネットを打ち切り、東北放送がCBC版をネットするまで独自で制作していました。琉球放送も、かつては独自で放送されていたようです。
「キユーピー3分クッキング」のテキストは、日本テレビ版は書店でも販売していますが、CBC版は最近までは書店では販売していませんでした。キユーピーの本社宛にハガキで申し込み、入金してテキストが届く方式(年4回)でした。原則として、放送がされていないエリアでのテキストは販売されません(例えば日本テレビ版の放送エリアでCBC版のテキストは販売されません)が、長野県の一部の書店などでCBC版のテキストの他に日本テレビ版のテキストも販売されています。
最近のレシピは電子レンジを使用するメニューも増えつつありますが、それは決して“手抜き”ではないでしょう。電子レンジを使用するメニューを否定するのなら、炊き込みご飯も炊飯器でなく、かまどを使用しなければならなくなりますから。そうなるとオーブンやグリルレンジを使うことも出来なくなるでしょう。