伝説の番組「8時だヨ!全員集合」
かつてTBS系列(84年までの長崎放送を除く。当時の長崎放送は日本テレビ系の番組を同時ネットしていました)で土曜日夜8時に放送された「8時だヨ!全員集合」は今も語り継がれるバラエティー番組でした。ドリフターズのメンバーを筆頭にゲストのアイドルや演歌歌手が様々なコントを演じ、特に子供たちの心を鷲掴みにしました。
秋田県在住のVBCテレビ様は小学校の七夕の授業で、短冊に「秋田県にTBS系列が出来て8時だヨ!全員集合が見られますように」と書いたそうですが、その願いは叶えられたかどうかは分かりません。短冊でなく秋田県出身の菅義偉氏に手紙を送ったほうが良かったかも知れません。
それはともかく、この番組は原則として生放送で、放送中に様々なハプニングもありました。オープニングに停電が発生して、懐中電灯で急場をしのいだ事もありました。舞台仕掛けも大掛かりなものでした。
前半のコントが終わると歌手が登場して、歌に切り替わりますが、ほとんどの子供たちは音楽というより“音が苦”(おんがく)なので、退屈だったでしょう。それを志村けんは察したのか、「少年少女合唱隊」のコーナーで「東村山音頭」などの歌を披露したりしました。
「8時だヨ!全員集合」は日本PTA全国協議会から“低俗番組”だとしてやり玉に挙げられていました。親が見たかった番組はフジテレビ系の「欽ちゃんのドンとやってみよう」でしょうけど。当時はテレビ朝日系の「暴れん坊将軍」もやっていましたが、見るのはお年寄りだけでしょう。
ところでプロデューサーの居作昌果(いづくり よしみ)氏は日本PTA全国協議会関係者の見下した態度に激昂し、「食べ物を粗末にする描写があると言うが、ドラマでもそうした描写がある。ドラマなら許されるのか!」と喝破したエピソードもありました。
向かうところ敵なしの状況だった「全員集合」でしたが、フジテレビ系が「オレたちひょうきん族」というバラエティー番組がスタートして、クラスでは全員集合派とひょうきん族派で分かれ、月曜日の話題になりました。
85年に打ち切られた「全員集合」でしたが、次番組の「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」のホームビデオ紹介コーナーは当時としては画期的な内容で、現在のYouTubeやTikTokなどの嚆矢にあたるコーナーでした。まだビデオカメラが普及していなかったため、TBSが家庭用ビデオカメラを貸し出すサービスを実施して人気コーナーになりました。
2024年9月16日のTBS系で「8時だヨ!全員集合 不謹慎だけど笑っちゃうドリフ伝説コントBEST20」が放送されます。秋田県在住のVBCテレビ様は楽しみにしているでしょうね。あとVBCテレビ様は「不適切というタイトルはいかがなものか」とブログに書いてますが、今のコンプライアンスではNGですね~。