うさぎいぬの読むテレビ

地上波のTBSからBS-TBSに移行された「噂の！東京マガジン」という番組のコーナーに「やって！TRY」という企画があります。ショッピングモールや遊園地などで若い女の子に声を掛けて、出されたお題の料理をレシピなしでさせる内容です。肉や魚などはパックに入った状態ではなく、さまざまな食材がバットに載せられています。調理には関係のない食材や器具もあるため、それなりの技術も求められます。

「料理は女性がするものと決めつけているのは差別ではないのか」というクレームもあってからは、若い男性にも料理をさせるようになりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、料理のロケは休止となっています。

クレームの内容として「新橋駅を利用するサラリーマンに料理を作らせろ」「森本や清水、風見などの男の出演者に料理をさせるべき」というのもありますが、それだったら未だに独身の栗山英樹とか非常識な不倫で離婚した東出昌大とかに料理をさせたほうが面白いでしょう。栗山や東出は家に帰ったら（栗山は家と言うよりも札幌市内のホテルだろうが）コンビニで買った弁当をレンジで温めたり、カップラーメンを食べているでしょうし。「やって！TRY」に栗山を出演させてポテトサラダを作らせたら疑いもなくポテトチップスを使って料理しそう。

「人が失敗して嘲笑うのは不謹慎」という声もありますが、ならば学校の授業で黒板の前に立たされて上手く答えられない生徒を嘲笑した事は一度もなかったのか？プロ野球で投手が早い回にKOされて「ウチの孫だったらマトモに抑えられる」と一瞬でも思った事は一度もなかったのか？いわゆるアイドル歌手が歌っているのをテレビで見て「ウチの孫のほうが一番上手く歌える」と思った事は一度もなかったのか？

「やって！TRY」は「母から子（娘）に伝える技の伝承」をコンセプトにしていて、30年前は批判的な意見はほとんどなかった。時代は変わり、男子生徒も中学校や高校で家庭科の授業を受けるように変わってきている（高校は普通科でなければ家庭科の授業はないだろうが）。結婚してからも奥さんが病気で寝込んだ時は旦那も料理をしなければならないだろうし。

テレビ朝日系「報道ステーション」のネット内のウェブCMも荒れている。若い女性が誰かに話しかけるように語り、「どこかの政治家がジェンダー平等だなんて時代遅れ」などと笑顔で話した後に「あっ、（午後）9時54分。ニュース見ていい？」と言った後に「こいつ報ステみてるな」のテロップが出ているものでした。「こいつ報ステみてるな」のテロップは視聴者から見た件の女性への感想なのだろう。

件の若い女性はCMの冒頭で「久々に会社に出勤したら先輩が産休あけて赤ちゃんを連れてきて可愛かった」と言っていましたが、現実問題として職場に赤ちゃんを連れて来れる事は不可能です。まぁ、自分はラジオ局のサテスタに女性パーソナリティが自分の赤ちゃんを連れて来たのを見ましたけど、ラジオ局のスタッフや社員が赤ちゃんを連れて来て赤ちゃんの世話をするのは無理でしょう（テレビ局もまず社員が赤ちゃんを連れてきて育児をするのは不可能）。テレビ朝日「報道ステーション」のスタッフはかつてアグネス・チャン氏がテレビ局などに自分の赤ちゃんを連れて来たのを作家の林真理子氏の逆鱗に触れた出来事は35年前の出来事だから記憶にないのだろう。

テレビ朝日は「不快な思いをされた方がいらしたことを重く受け止め、お詫びするとともに、このWeb CMは取り下げさせていただきます」と、お役所のような定型表現に満ちた謝罪文を公開して、動画CMは削除しました。ひょっとしたらYou Tubeやニコニコ動画の投稿をテレビ朝日は違反投稿と申告して削除するかも。なお、テレビ朝日「報道ステーション」のサイトにはCMに対してのお詫びの謝罪文は掲載していません。

あのウェブCMについてダメ出しするなら、「（報道ステーションを）見てほしい」という気持ちが感じられなかった。テレビ局とかマスコミの人間はエリートが多いとは言え、小さい頃にテレビCMを見て「あれ買って」「これを食べたい」「ここに行きたい」と親にせがんだ事くらいは一度でもあっただろう？報道ステーションのウェブCMはそういった事は微塵も感じられませんでした。