2022年08月10日
映画「フライング飛翔」にスポットライトを当てる
今年の3月21日にボートレース大村で開催された「ボートレースクラシック」(かつては「総理大臣杯競走」、昭和時代は「鳳凰賞」という名称だった)で女子選手の遠藤エミ選手が女子選手として史上初のSG(中央競馬でGI競走に相当)優勝の偉業を成し遂げました。
ところで、女子選手がSG優勝というストーリーの映画が過去に存在していました。1988年に公開された「フライング飛翔」という映画がそれでした。横山やすし師匠が企画・制作(監督ではない)、「世界一家、人類みな兄弟」で知られる笹川良一会長も出演していた異色の映画でした。
ストーリーをざっくりと書くと、競艇選手の叔父に育てられた主人公の女性歌手が全日本選手権優勝戦で若手選手に弾き飛ばされ転覆。引退を余儀なくされた叔父の代わりに歌手を辞めて競艇選手を目指す。訓練途中で叔父を引退に追い込んだ選手に出会い、憎しみよりも淡い恋が芽生える。訓練も順調だった頃、転覆した訓練生を主人公が操縦するボートが乗り上げ大怪我をさせてしまう。責任を感じた主人公は(救命胴衣やヘルメットを付けた状態だが)入水するが、それを目撃した教官が止めに入る。その教官も元選手で叔父と一緒に走った事も主人公に教えた。冬休みに憧れの選手が三国(福井県)で走ると知り現地まで応援に行くが、憧れの選手が事故で亡くなった事を知る。辛い事が何度も続きながらも1年後に競艇選手として
デビュー。初出場で1着となり、好成績で浜名湖(静岡県)の女子王座決定戦に出場する。そこで訓練途中で大怪我をした訓練生が再起不能と知らされ、動揺した主人公はフライングを犯す。30日間出場停止(フライング休み)の間、訓練生の実家がある長崎県まで行くが、家には誰もいなかった。自宅に戻ると暗い部屋で叔父が佇んでいた。「フライングなんて、どうって事ないさ。水の上で起きた事なんだし。本栖(山梨県。当時の養成所)に行ってごらん。最初の出発点に。」と本栖に行くことを薦める。本栖に行くと大怪我をした訓練生と出会い、訓練生は奇跡的に回復して再び競艇選手を目指す姿に心を打たれ、フライング休みからの復帰後はさらに勝率を上げ、SGレースの全日本選手権(ダービー)に出場するのである。
キャストは黒木永子に高橋和也(高橋一也)、阿木燿子、原田芳雄、北公次など凄い顔ぶれでした。地上波での放送は深夜に追いやられ、横山やすしが登場する場面はカットされていました。
蛇足ですが、かつてRKB毎日放送が深夜にこの映画を放送した事がありましたが、あらゆるシーンがカットされていてグダグダでした。しかも、この日に麻原彰晃が逮捕され、途中で放送が中断されてしまいました。その後の振り替え放送もされなかったようです。
DVD化してほしい映画ですけど、とても無理そうですね。
Posted by うさぎいぬ at 12:00│Comments(0)