2025年03月20日

中央線快速列車に普通列車グリーン車が有料化開始


2025年3月15日のダイヤ改正からJR東日本の中央線快速列車(東京〜大月間)および青梅線(立川〜青梅間)に普通列車グリーン車の営業(有料化)が始まりました。

中央線快速列車の普通列車グリーン車の営業は元々は2020年のダイヤ改正から予定していましたが、世界的な半導体不足や新型コロナウイルスの流行、一部の駅のホーム延伸工事で先延ばしとなり、2024年にようやくホーム延伸工事も完了して、昨年10月からの普通列車グリーン車の“お試し営業”の後、先日のダイヤ改正から普通列車グリーン車の営業が始まりました。

普通列車グリーン車は首都圏独特のものと言ってもいいでしょう。一部地域では特急列車が普通列車として運転される区間でグリーン車を自由席グリーン車として営業している列車も少なからずあります。日豊本線の佐伯〜延岡間の始発かつ最終列車は特急車両を使用した普通列車で、グリーン車は車内で車掌から購入することになります。

首都圏の普通列車グリーン車はかつては東海道線、総武線系統、横須賀線、伊東線に限定されていましたが、2004年に湘南新宿ライン、宇都宮線(東北本線)、高崎線にも普通列車グリーン車の営業が始まり、2007年に常磐線の上野〜高萩まで普通列車グリーン車の営業が始まりました。2015年の上野東京ラインの開通で途切れていた東京〜上野間が1本に繋がり、宇都宮線・高崎線から東海道線の直通運転、品川まで常磐線列車が直通運転されました。

グリーン券は1列車につき1枚となりますが、首都圏普通列車グリーン車に関しては改札を出なければ乗り継いで1枚のグリーン券で行く(乗り継ぐ)ことができます。ただし乗り継ぎは一筆書きになる形に限ります。中央線快速列車のグリーン車は東海道線、湘南新宿ラインなどとは(現時点で)乗り継ぎできません。

お試し期間中は中央線快速列車の普通列車グリーン車はデッキにも乗客で溢れかえるほど混雑していましたが、有料化で普通列車グリーン車はスカスカとなり、Xやインスタグラムなどで話題になっています。これは土休日だったので、平日のラッシュ時はどうなるかは分かりません。国分寺〜新宿間ノンストップの通勤特快(ノンストップと言っても前のほうで列車が詰まっているため、あまりスピードが出せない)で普通列車グリーン車の“威力”が発揮されるかも知れません。ぎゅうぎゅうの車内で何十分も立ちっぱなしなのは苦痛しかありませんから。もっとも普通列車グリーン車は京阪神の新快速電車に連結している「Aシート」や大和路快速などの「うれしート」のように指定席ではなく自由席なのでグリーン車のデッキや通路もぎゅうぎゅうの可能性は否めませんが。なお、グリーン車が満席で普通車に移りたい時は乗務員(グリーンアテンダント)に申し出て、後日に払い戻しの手続きができる用紙を渡されます。

お試し無料というカテゴリーではありませんが、国鉄時代やJR化初期には無料開放されたグリーン車も存在していました。九州地方では廃止された急行用電車を普通列車として運転され、グリーン車が無料開放されていましたし、関東地方では終着駅の上野駅に到着した急行列車が折り返して普通列車となって運転される時にグリーン車は無料開放されていましたし(当時の東北本線などには普通列車グリーン車は存在しなかった)、民営化後のJR九州では「さわやかライナー」「エアポートライナー」「おやすみライナー」「ホークスライナー」(こちらは旧ダイエーホークスの平和台球場の試合後に運転された)などのライナー列車にグリーン車が連結されていましたが、グリーン車は無料開放でした。ただしライナーの乗車には乗車整理券(ライナー券)の購入が必要でした。JR西日本も「びわこライナー」にグリーン車が無料開放されていましたが、駅によって乗車車両が振り分けられていました。米原行きは新大阪でグリーン車が振り分けられていましたが、大阪行きは米原などではグリーン車は振り分けられていなかったようです。

中央線快速列車や青梅線に連結されている普通列車グリーン車は基本的に12両編成の4号車および5号車です。10両編成や6両編成、4両編成にはグリーン車は連結されていません。また、ホームにSuica専用のグリーン券売機(券売機と言ってもSuicaにグリーン券情報を記録するもので、グリーン券は出てきません)が設置されていない駅も少なからずあります。グリーン券は駅の券売機で買うか、モバイルSuica(イージーモバイルSuicaは不可)でグリーン券を買う手もあります。



Posted by うさぎいぬ at 12:00 Comments( 0 )