2009年07月31日
プロ野球は興行という欺瞞
※記事と写真は関係ありません
プロ野球でよく言われるのは「プロ野球は興行」という言い訳である。特にホームランは野球の華と言われ、ホームランアーチストによるホームランはファンを魅了させる。同じプロスポーツで興行といわれるのは大相撲やプロレスもそうであるが、プロレスはともかく大相撲は八百長騒動で一部の力士は強制引退や謹慎処分を受け、NHKの大相撲中継も自粛(中止)に追い込まれ相撲協会の体質改善を余儀なくされた。
プロ野球も昭和40年代に”黒い霧事件”という八百長事件で西鉄ライオンズのエースだった池永正明ら主力選手が”死刑執行”された。特に西鉄ライオンズは主力選手を失い、親会社の西鉄の球団経営の意欲を失い、太平洋クラブ(ゴルフ場)、クラウンライター(ガスライター)と親会社が次々に変わり、国土計画(現コクド)に買収され、西武ライオンズとして埼玉県所沢市に移転してしまった悲劇がある。
ところで、こんな比較はプロ野球は好きなようである。「映画のロードショーは1800円、コンサートは5000円だけど、プロ野球は1000円程度だから、プロ野球のほうが入場料が安い」という比較であるが笑止である。それは外野自由席の値段で、プロ野球選手の年俸の高騰で入場料は跳ね上がり、現在は子供ですら1000円で観戦できない。
ロードショーは毎月1日はファーストデーで1000円に割り引かれ、毎週水曜あたりは女性割引(映画館によっては男性割引もある)もあるし、レイトショー割引もある。プロ野球も多少の割引もあるがファンクラブ限定である。しかも当日分発売しか割引にならない。
プロ野球をコンサートと比較するのは間違いである(コンサートと比較するのは特に松田聖子や中森明菜などの80年代のアイドルに対する”嫉妬”でもあるが)。どちらも客席で騒いでいるので、それと比較しているのかも知れないが、試合展開に関係なく、のべつ幕なしに騒いでいるプロ野球に対して、コンサートは特にバラードで騒いでいる人など皆無である。
プロ野球は興行と言いながらも、八百長など不正があったら大きな社会問題に発展する。昭和45年に問題化した“黒い霧事件”や、かつてダイエーホークスが惹起したスパイ行為もその一つである。NHKの紅白歌合戦は出演アーティストが審査員に買収工作をしても、ほとんど目くじらを立てる人はいない。ここ数年はジャニーズ系アーティストが揃っている白組が紅組を完膚なきまで叩きのめしているが、仮にアーティストが審査員への買収工作があったとしても、所詮はバラエティー番組であり興行に過ぎないからである。
しかしプロ野球は違う。興行と言いながら目先の一勝や勝利にこだわっている。それを否定する人は非国民として糾弾される。クライマックスシリーズも同じ事が言えるのである。ついでに言えば、ぶざまな試合に呆れて帰り始める客を「客が勝手に帰るのだから」と引き止めず、一方で青少年育成条例(これはゲームセンターなどで適用されるべきもので、プロ野球で適用されるべきではない!)で夜10時までに(家へ)帰らないとならない客に「そうした客には入場料を返すべき」と平気で言う球界は、安易に”興行”という言葉を使うべきではない。
Posted by うさぎいぬ at 08:09│Comments(0)